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デザイン保護は 人と文化のバロメータ

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Q&A

スマートフォンやパソコン等の画像デザインを意匠法で保護することができると聞きました。具体的にどのような画像が、意匠法上の画像デザインとして意匠登録を受けることができるのでしょうか。
1.はじめに
 意匠法で保護される画像デザインには、意匠法2条1項に規定する「表示画像」と2条2項に規定の「操作画像」があり、意匠登録を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。
 以下に、画像デザインの保護の経緯の概略とどのような画像が保護されるかについて説明します。

2.画像デザインの保護の経緯
 画像デザインは、平成10 年の部分意匠制度の導入により、物品の表示画面について部分意匠登録が可能になりましたが、保護対象が液晶時計の時刻表示部等、それがなければ物品自体が成り立たない画像デザインや、携帯電話の初期画面等の機器の初動動作に必要不可欠なものなど、かなり限定されたものになっていました。その後、時代の変化による保護拡充のニーズに伴い、平成18 年の意匠法改正によって、2条2項が新設され、「物品の機能を発揮できる状態にするための操作に用いられる画像」についても保護拡充が図られました。
 その後は、平成18 年の意匠法改正の下、意匠審査基準の改訂が行われ、平成19 年に、平成18 年改正で保護対象に追加された画像を「物品にあらかじめ記録された画像」に限定する改訂が行われ、平成23年に、「表示画像」とは物品の機能を果たすために必要な表示を行い、あらかじめ物品に記録された画像であると規定されたことにより、それまでの「物品の成立性に照らして不可欠な画像」といった厳格な要件が緩和されました。さらに、平成28 年では、後からインストールされたソフトウエアによる画像など、物品に事後的に記録された画像を保護対象に追加される改訂が行われ、今に至ります。
 このように、画像デザインは社会状況の変化に合わせて保護拡充が図られてきましたが、以下に現意匠法下で意匠登録を受けることができる画像デザインについて簡単に説明します。

3.意匠を構成する画像
(1)表示画像
 「表示画像」は、意匠法2条1項により認められる意匠であり、意匠登録を受けるためには、画像を含む意匠に係る物品が、意匠法上の物品であって、その物品の表示部に表示される画像が、a)その物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像であること、b)その物品に記録された画像であること、の要件を全て満たす必要があります(審査基準 74.4.1.1.1.1 )。
 具体例としては、[図1]「デジタルカメラ」における「撮影時に水平状態を確認するための水準器表示」の画像デザインが該当します。 なお、あらかじめ記録された画像のみならず、事後的にインストールされたソフトウエアの画像やアップデートした画像も平成28年の審査基準改訂で保護されることになった点にご留意ください。

(2)操作画像
「操作画像」とは、意匠法2条2項に該当する意匠であり、意匠登録を受けるためには、画像を含む意匠に係る物品が、意匠法上の物品であって、a)物品の機能を発揮できる状態にするための操作の用に供される画像、b)当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示される画像、c)その物品に記録された画像であること、の要件を全て満たす必要があり(審査基準 74.4.1.1.1.2 )、例えば、[図2]「カメラ付き携帯用音楽再生機」における「カメラ機能を発揮できる状態にする操作を行うための画像」が該当します。
 なお、「操作画像」においても事後的にインストールされたソフトウエアの画像やアップデートした画像も保護されます。
(3)電子計算機の画像
電子計算機は目的に応じて各種ソフトウエアをインストールして使用するものであり、物品から独立して創作され、販売されるソフトウエア(OSを含む)をインストールすることで表示される画像(プリインストールされたものも含む)は、「表示画像」又は「操作画像」に該当しないとされ、保護を受けることができませんでしたが、平成28 年の審査基準の改訂で、「電子計算機にソフトウエアをインストールすることにより、電子計算機が通常有する以外のハードウエアを要さずに成立する新たな物品を、付加機能を有する電子計算機と位置付け」、当該付加機能を有する電子計算機の「表示画像」又は「操作画像」と認められる画像デザインについて、意匠登録を受けることができるようになりました。
 例えば、[図3]「方位計測機能付き電子計算機」における「方位計測データを表示する画像」や[図4]「はがき作成機能付き電子計算機」における「はがき作成機能を発揮できる状態にする操作を行うための画像」が該当します。
4. 意匠を構成する画像に該当しないもの
 画像であっても、a)表示部の背景を装飾するための画像(いわゆる壁紙)等の装飾表現のみを目的とした画像、b)テレビ番組の画像、インターネットの画像等の物品の外部からの信号による画像や物品に接続又は挿入された記録媒体に記録された画像等は、保護を受けることができません。

5. 今後、画像デザインとして保護の拡充が検討されているもの
 現意匠法では、物品に表示される画像や物品に記録された画像のように「物品性」が要件の一つとなっていますが、「物品」と離れた画像のみでも保護を受けられるような改正が検討されています。
 例えば、a)クラウド上の画像やネットワークによって提供される画像など、物品に記録されていない画像、b)壁や人体に投影される画像など、物品以外の場所に表示される画像、c)現意匠法下では登録を受けることができない壁紙などの装飾的な画像や映画・ゲームといったコンテンツ画像です。

6.おわりに
 画像デザインは、上記で説明したように、保護の拡充が繰り返し図られ、今後も、保護対象の拡大が予想されていますので、意匠法の改正や意匠審査基準の改訂に注視していただければと思います。

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