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デザイン保護は 人と文化のバロメータ

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Q&A

当社製品のデザインについて意匠出願を行った後に、その製品の製造・販売を開始したところ、直後に模倣品が出回るようになりました。まだ、意匠登録になっていませんが、どうすればよいでしょうか?
1.はじめに
 意匠出願した製品の模倣品が出回っているとのことですが、意匠出願を行っただけでは、意匠権は発生しませんので、未登録の状態では模倣品に対して販売の差し止め等を求めることはできません。差し止め等を行うためには、出願中の意匠について意匠登録を受け、意匠権を取得する必要があります。
 意匠登録を受けるためには、特許庁の審査を経なければなりませんが、出願から審査結果の最初の通知が出願人等へ発送されるまでの期間(FA 期間)は、2017 年度で平均5.9か月[図1]となっています。
 この約6か月という期間は特許と比較すると短いですが、このまま審査結果が通知されるまで模倣品を野放しにすると不利益を被るのは必定ですので、本件では、出願中の意匠の審査を早める「早期審査制度」を利用するのが、対応策の一つになると思います。
 この制度を利用するには、一定の条件を満たす必要がありますが、その概要は、以下のとおりです。


2.早期審査制度
(1)制度の概要
 早期審査制度を利用できる意匠出願は、下記の出願になります。
@権利化ついて緊急性を要する実施関連出願
 出願人自身又は出願人からその出願の意匠について実施許諾を受けた者(ライセンシー)が、その出願の意匠を実施しているか又は実施の準備を相当程度進めている意匠登録出願であって、@)第三者が許諾なく、その出願の意匠若しくはその出願の意匠に類似する意匠を実施しているか又は実施の準備を相当程度進めていることが明らかな場合、A)その出願の意匠の実施行為(実施準備行為)について、第三者から警告を受けている場合、B)その出願の意匠について、第三者から実施許諾を求められている場合のいずれかに該当し、権利化について緊急性を要するものであること
A外国関連出願
 出願人がその出願の意匠について日本国特許庁以外の特許庁又は政府機関へも出願している意匠登録出願であること
(2)制度を利用するための手続 上記@@)〜B)のいずれか、またAに該当する場合は、所定の事項を記載した「早期審査に関する事情説明書」を特許庁に提出します。
この事情説明書は、出願以降、いつでも提出でき、手数料を納付する必要はありません。
 「早期審査に関する事情説明書」の記載内容等については、特許庁のウェブサイトに掲載されているガイドラインをご参照ください。
(3)審査期間と利用状況
 早期審査制度は、2017 年度は211 件申請され、平均期間は1.9 か月になっています[図2〜3]
 この早期審査制度を利用し、早期審査が認められると、通常約6か月かかる審査期間が、約2か月に短縮されますので、早期の権利化が可能になります。
3.模倣品対策に対応した早期審査制度
(1)制度の概要
 2.で説明した通常の早期審査制度のほかに、模倣品が発生している場合には、「模倣品対策に対応した早期審査制度」を利用することも可能です。
 この制度を利用できる意匠出願は、早期審査の対象なる意匠出願のうち、「権利化について緊急性を要する実施関連出願であり、第三者が許諾なく、その出願の意匠若しくはその出願に類似する意匠を実施しているかまたは実施の準備を相当程度進めていることが明らかな場合」に対象となります。
(2)制度を利用するための手続
 この制度を利用するための手続は、通常の早期審査制度とは若干異なり、まず、意匠出願後に「特許庁に連絡」し、早期審査の条件を満たしているかを確認してもらってから、早期審査を申請し、その後、「面接」が実施されます。この手順の詳細は、[図4]又は特許庁のウェブサイトに掲載されている「模倣品対策に対応した意匠出願の早期審査制度の新たな運用について」をご参照ください。
(3)審査期間と利用状況
 この制度を利用し、特許庁に「模倣品対策に対応した早期審査」が認められると、出願手続に不備がない意匠出願であれば、早期審査の申請から1か月以内で一次審査の結果が通知され、通常の早期審査制度よりもさらに早期に権利化を図ることができます。
 この制度は、2017 年度は25 件申請され、申請から一次審査結果の通知までの期間は、平均0.7 か月になっています(特許行政年次報告書2018 年版)。
4.おわりに
 本件では、意匠出願後に、製品の販売を開始し、その直後に模倣品が発生していますので、3.の「模倣品対策に対応した早期審査制度」が利用できると思料します。この制度を利用し、特許庁に早期審査が認められれば、約0.7 か月で審査結果が通知され、早期に権利化を図ることができ、模倣品の販売を早期に中止させるには、有効な手段となりますので、利用することをお勧めします。

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