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Q&A

デジタルカメラのレンズが透明であること、そのレンズフードがスライドして開閉することは、意匠登録出願の願書の「意匠の説明」の欄に記載するのでしょうか、それとも「意匠に係る物品の説明」の欄に記載するのがよいのでしょうか[図1]。
 意匠登録出願の願書及び添付図面について規定している意匠法6条によりますと、その6条2項から7項に、意匠登録を受けようとする意匠の開示に必要な記載事項が規定されていますが、その4項において、意匠が物品の機能に基づいて変化する場合、その変化の前後にわたる形態の機能の説明の記載が必要であること、その7項には、物品の全部又は一部が透明な場合の透明部の記載が必要であることが規定されています。
 しかしながら、上記意匠法6条には、「願書に記載しなければならない。」と規定されているだけで、「意匠の説明」の欄と「意匠に係る物品の説明」の欄の別については言及されていません。
 そこで、意匠法施行規則を見てみますと、その2条に「願書の様式」、3条に「図面の様式」が規定されています。前記3条には「願書に添付すべき図面は様式第6により作成しなければならない。」と規定されており、そこには、「意匠の説明」に記載すべき事項として、図面の省略(様式6備考8ないし10)、物品の部分について意匠登録を受けようとする場合の記載(備考11)、物品の形状が連続するもの、地物であって、模様が繰り返し連続するものについての記載(備考12)等が挙げられています。
 一方、「意匠に係る物品の説明」については、意匠法で保護する意匠は、「経済産業省令で定める物品の区分により意匠ごとにしなければならない。」(意7条)が、その物品の区分を記載した「別表第一の下欄に掲げる物品の区分のいずれにも属さない物品について意匠登録出願をするときは、【意匠に係る物品の説明】の欄にその物品の使用の目的、使用の状態等物品の理解を助けることができるような説明を記載する。」(意施規2条様式2備考39)ことが規定されています。
 上記のような意匠法施行規則の規定を鑑みますと、「意匠の説明」は、意匠法施行規則3条「図面の様式」に関すること、「意匠に係る物品の説明」は、同2条の「願書の様式」に関する記載と判断されます。
 してみますと、「デジタルカメラのレンズが透明であること」、「そのレンズフードがスライドして開閉すること」については、記載すべき事項を「図面」に関する説明と捉えるか、意匠に係る物品「デジタルカメラ」に関する「レンズ」および「レンズフード」の機能の説明と捉えるかにより、いずれに記載すべきかが決まると思料します。
 しかしながら、その区別が困難な場合には、「意匠」は、「物品」と「形態」により成り立つものですので、いずれに記載するか迷われる場合には、「意匠の説明」の欄に記載されることをお勧めします。
 ところで、近年は、技術(発明)の意匠による保護、画像の意匠の保護(意2条2項)等、物品が有する機能に基づいて「変化する意匠」が増えており、意匠の使用態様の説明が必要となることが重要になっています。
 意匠登録出願の本願意匠と引用意匠の類否については、「意匠を全体として観察することを要するが、そのためには、両意匠の基本的構成態様及び各部の具体的態様のそれぞれにおいて、形態上の共通点及び差異点を抽出した上、それらを、視覚的効果、使用態様、公知意匠にない新規な創作であるか否か等の観点から検討し、共通点が及ぼす美感の共通性と差異点に基づく美感の個別性とを比較考量し、総合的、全体的に類否を判断することが相当である。」(「三段熨斗付き紐丸冠瓦]平成19 年(行ケ)第10036 号、知財高裁平成19年6月14 日判決言渡)とされていますので、使用態様からもたらされる意匠の形態は、意匠の類否判断において重要な位置を占めています。この使用態様は、物品が有する機能に基づく使用方法からもたらされる態様(形態)ですが、この使用態様は、「意匠に係る物品の説明」に記載されることが多いと思料します。
 また、近年意匠登録出願が増加している「画像」の意匠に係る意匠登録出願に際しては、「物品の操作の用に供される画像を含む意匠について意匠登録出願するときは、【意匠に係る物品の説明】の欄にその画像に係る当該物品の機能及び操作の説明を記載する(様式第2備考40)。」ことが定められています。
 したがって、画像の意匠の機能により変化する形態の説明は、「意匠の説明」の欄ではなく、「意匠に係る物品の説明」の欄に記載することになります。
 さらに、近年、ハーグ協定による国際意匠登録出願が導入されましたが、この国際意匠登録出願においては、「意匠の説明」及び「意匠に係る物品の説明」の記載に関する項目欄の区分がなく、いずれも、「Description of the characteristic feachure of the design(s)」の項に記載することになっています。
 このような、国内外の意匠登録制度、願書の記載要件を鑑みますと、「意匠」は、「形態」と「物品」の両方の概念を含みますので、「意匠の説明」に統一することが望まれます。

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